円高・円安はどっちがいい?

メリット・デメリットや対策方法を徹底解説

円高・円安はどっちがいい?

メリット・デメリットや対策方法を徹底解説

日本では円安が進んでいますが、「円安と円高どっちがいいの?」と気になる方もいるでしょう。

円高・円安のどちらがいいかは消費者や企業、その人の状況などによって異なります。

本記事では円高・円安の基礎知識から、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

私たちの生活への影響を把握しておき、正しく対策できるようになりましょう。

1 円高・円安とは


まずは円高と円安の意味について、理解を深めていきましょう。

状況別にまとめると以下のようになります。

ここからは円高と円安についてより詳しく解説します。


1. 1 円高とは


円高とは、日本円以外の通貨に対して円の価値が高い状態のことです。

円高時には円で交換できる外国通貨が相対的に多くなります。

海外旅行の換金を例として考えましょう。

1ドル=100円から1ドル=50円に変化した場合は円高です。

1ドル100円のときに1万円分換金すると100ドルですが、1ドル50円のときに1万円分換金すると200ドルになります。

1ドル100円の時と比較して、ドルを多く換金できるため、円の価値が相対的に高い状態となるのです。 

1. 2とは


円安とは、円以外の外国通貨に対して円の価値が低い状態のことです。

円安時には円で交換できる外国通貨が相対的に少なくなります。

こちらも海外旅行の換金を例に見ていきましょう。

1ドル=100円から1ドル=200円に変化した場合は円安です。

1ドル100円のときに1万円分換金すると100ドルですが、1ドル200円のときに1万円分換金すると50ドルになりますね。

1ドル100円の時に比べて、ドルを換金できる枚数が少なくなるため、円の価値が相対的に低い状態といえるのです。

. 円高・円安の覚え方


円高、円安はややこしく、現状を把握するのに苦戦する方もいるかもしれません。

おすすめの覚え方は下記の通りです。

円高と円安は1ドルに対する円の増減を考えるとよいでしょう。

具体例も記載しておくため参考にしてください。

. 円高・円安のメリット・デメリット


円高と円安のメリット・デメリットは以下の通りです。

どちらもメリット・デメリットがあり、立場によって有利にも損にもなりえます。


3. 1円高のメリット


円高は個人消費者や輸入品を扱う企業にとってお得な状況です。

2つのメリットを詳しく見ていきましょう。

円高のメリット

・輸入品を安く購入できる
・海外旅行で多く換金できる

輸入品を安く購入できる

円高時の個人消費者のメリットは、輸入品を日本円で安く購入できることです。

円以外の外国通貨が安くなることで、輸入品の物価が下がります。

たとえば300ドルの輸入品を購入するとしましょう。

1ドル100円であれば3万円ですが、1ドル50円の円高時には1万5千円と半額です。

個人と同様に企業も材料や燃料などの輸入品の購入コストを抑えられるため、利益を伸ばしやすくなります。

海外旅行で多く換金できる

円高時の海外旅行では、円安時と比べて通貨を多く換金できます。

現地でのホテル代やお土産代など旅行にかかる費用を安く済ませられることから、お得に海外旅行をしたいのであれば円高のときが良いでしょう。

ただしクレジットカードで決済する場合は、購入日ではなく請求日に決算されるため、必ずしもお得とはいえないことにご注意ください。

購入日には円高だったとしても、請求日に円安になっていれば割高になるケースもあります。 

どちらもメリット・デメリットがあり、立場によって有利にも損にもなりえます。

3. 円高のデメリット


円高は海外資産を保有している方や輸出企業にとって不利な状況といえます。

詳しく見ていきましょう。

円高のデメリット

・海外資産の価値が下がる
・輸出品の価格が高くなる

海外資産の価値が下がる

外貨建てなどの海外資産を保有している場合、日本円に換算すると相対的な資産価値が減少することがデメリットです。

円高のタイミングで日本円に換金してしまうと、円安時と比べて価値が目減りし、「為替差損」が発生する可能性が出てきます。

為替差損とは為替相場の変動によって金融商品に生じる損失のことです。

たとえば1ドル110円の時に外貨預金を行い、1ドル100円の円高時に円で引き出すと、1ドルあたり10円減ってしまいます。

輸出品の価格が高くなる

円高時には、日本からの輸出品の価格が海外で高くなります。

その結果、価格競争力の低下や輸出の減少などが発生し、輸出企業にとっては業績を伸ばしにくくなります。

円高が長期化すると、不景気や株式市場の下落といった状況に陥る可能性があることにも注意が必要です。

円安のメリット

円安時には海外資産を保有する方や輸出企業にとって有利となります。

メリットを2つ解説します。

円安のメリット

・海外資産の価値が上がる
・輸出品が売れやすくなる

海外資産の価値が上がる

外貨建てなど海外資産を保有している場合、円換算で相対的価値が上昇します。

円高とは反対に、為替相場の変動によって金融資産に生じる利益「為替差益」によってお得になります。

たとえば1ドル110円の時に外貨預金を行い、1ドル120円の円安に円に交換すると、1ドルあたり10円の利益が得られるのです。

ただし換金の際には、為替手数料や為替差益にかかる税金が発生する点に留意しておきましょう。

輸出品が売れやすくなる

円安時には日本の輸出品の商品価格が海外で安くなります。

海外における日本製品の価格競争力を高められるため、自動車メーカーや電機メーカーといった輸出企業に有利な状況といえるでしょう。

また海外からの観光客が増える傾向にあり、日本での消費も期待できます。

円安のデメリット

円安時には個人消費者や輸入企業にとってデメリットが生じます。

詳しく確認してみましょう。

円安のデメリット

・輸入品が高くなる
・海外旅行が割高になる

輸入品が高くなる

円安時には、円高時と比べて日本への輸入品が割高になります。

日本では原油や医薬品、食品などの輸入品が多く、価格が高くなることで個人の生活面への影響が懸念されます。

個人消費者と同じく、輸入企業も輸入品や原材料を仕入れる際にコストがかさんでしまうことがデメリットです。

海外旅行が割高になる

円高時と比べて日本円を換金できる量が少なくなるため、海外旅行が割高になってしまします。

海外通貨が高い状況のため、ホテル代や食事代、お土産代といった旅費がかさんでしまうでしょう。

円安時に海外旅行をする場合は、物価が安い国へ行く、決済にはクレジットカードを使用するといった対策が必要です。

円高・円安のどっちがいいかは立場によって異なる

メリットやデメリットから分かる通り、円高・円安のどっちがいいかは、消費者や企業、状況などにより異なります。

円高時は、輸入品を購入する消費者や企業、海外旅行に行く方にとって良い状況といえるでしょう。

反対に円安時は、海外資産を保有している方、輸出企業にとって有利になります。

個人の消費者にとっては円安のデメリットが生活に影響しやすいため、対策をしておくと安心です。

次章で具体例を解説します。

. 円安への対策方法5つ


円安への対策は、円以外の資産を保有することが有効です。

ただし円安が継続的に続くわけではないため、資産をすべて円以外にするといったことは避け、バランスよく保有できるようにしましょう。

ここでは初心者にもおすすめの方法を5つ解説します。


円安への対策方法5つ

・外貨預金をする
・外貨積立をする
・外貨建て投資信託へ投資する
・つみたてNISAを活用する
・外貨建て保険への加入

4. 1外貨預金をする


外貨預金とは円を円以外の通貨に換えて預け入れることです。

具体的には以下のような商品があります。

外貨預金は円安時に為替差益が得られるため、円安に向けた対策となります。

ただし円を外貨に交換する際には、為替手数料が発生するケースがあることに留意しておきましょう。

4. 2外貨建積立をする


外貨積立は円を円以外の通貨に替え、一度にまとめてではなく、複数回に分けて積み立てるタイプの金融商品です。

少額から始められるため、初心者でも挑戦しやすいでしょう。

小分けにして積み立てることで、円安時に多く購入して損をするといったリスクを減らせることがメリットです。

外貨積立は、金融機関によって手数料が高くなることに注意が必要です。

4. 外貨建投資信託へ投資する


外貨建て投資信託は、外貨で取引がされ、基準価額や分配金も外貨で表示されます。

投資信託は本人に代わってプロが運用してくれる仕組みのため初心者も始めやすいといえるでしょう。

外貨建て投資信託を保有しておくことで、円安時に円換算で多くの円を得られるという対策になります。

外貨積立は円を円以外の通貨に替え、一度にまとめてではなく、複数回に分けて積み立てるタイプの金融商品です。

少額から始められるため、初心者でも挑戦しやすいでしょう。

小分けにして積み立てることで、円安時に多く購入して損をするといったリスクを減らせることがメリットです。

外貨積立は、金融機関によって手数料が高くなることに注意が必要です。

4. 4積立NISAを活用する


つみたてNISAで、米国・先進国・全世界を投資先とする投資信託を選ぶのも良いでしょう。

日本以外の国や企業に投資しておくことで、円安時に資産価値が上がり有利に働きます。

つみたてNISAは国も推奨している金融商品ですが、元本保証ではないことなどデメリットもあるので留意が必要です。

4. 5外貨建保険の加入


外貨建て保険とは、保険料を米ドルや豪ドルなどの外貨で運用する保険のことです。

具体的には以下のような商品があります。

外貨建て保険商品

・外貨建て個人年金保険

・外貨建て終身保険

外貨で運用していくため、円安時に資産価値の上昇を見込めます。

また日本円で支払う保険と比べて予定利率が高いため、保険料が割安になる傾向です。

ただし元本割れのリスクがあり、解約返戻金を外貨で受け取った場合は円への換金に手数料がかかることもあることに注意しましょう。

. まとめ


円高と円安にはメリットとデメリットがあり、どっちがいいかは断定できません。

個人消費者にとっては円安時に生活への影響が出る傾向にあるため、対策をしておくとよいでしょう。

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